ドラゴンクエストはファミコンで発売された本格的なRPGである。

  もともとRPGとはRole Playing Game、すなわち役割を演ずるゲームとしてアメリカでD&D、ダンジョン&ドラゴンズの誕生と共に発表された。 それを一人でも楽しめるように開発されたのがコンピューターRPGで、その代表格といえば「ウィザードリィ」と「ウルティマ」であり、 これに注目した日本のファンも多く、「ドラクエ」の作者、堀井雄二氏もその一人である。
 
  日本でコンピューターといえば、やはり大人の所有物で、先の RPGも日本版が発売されていたりはしたが、当時子供を中心に流行していたファミコンにこのRPGという概念を取り入れようという試みが「ドラクエ」であった。 現在から見ると、謎解きその他極めて淡白であったが、これは作者自身も意図していた事であり、それによって難解さを排除しようとした様だ。

  シナリオは当時アドベンチャーゲームをヒットさせていた堀井雄二、グラフィックデザインは鳥山明、音楽はすぎやまこういちという、 業界内でも噂となる主力メンバーに加え、当時誰もが認めるトップ少年コミック雑誌であった少年ジャンプでのPR活動も功を奏し、「ドラクエ」は大ヒットした。

  #1のお陰で鳴り物入りで登場する#2は、作者が#1の主人公一人の冒険から仲間を集めて三人で冒険する過程を表現し、さらに#3に受け継がれここで 完全なRPGの源流であるパーティープレイを表現する。余談だが、#4ではオムニバス形式になっており、#1から#3で見せたプレイヤーの RPGルールへの適応を一作で表現してみせている。
 
  第三作に至り、当初の目的であった二大ヒットRPGの優れた部分を統合し、日本のファンへの啓蒙活動は終了した。
  ドラクエは現在6作目までが発表され、スタッフも当初より入れ替わりが行われたことだろう。
 次回作第七作も発売は予定されており期待は膨らむ。今度は以前からのハードも替え、機能的には飛躍的に自由度が高まったはずなので、是非以前の栄光を取り戻して欲しい。

  こう言うと語弊があるが、それも個人的にロト三部作といわれる#1〜#3の印象はやはり強烈だったゆえ。次の天空三部作も、良い意味でドラクエらしさは失われて おらず好感は持てるのだが、同時期に発表された他社のRPGと比較すると特出していると言う程のものではない。

  よって、追われる立場であったドラクエ が、今度は攻勢に転じる立場にまわった事で、様々な制約を取り払い意欲作、野心作として世に出る可能性を秘めていると思う。ドラクエの更なる革新と覇権復活を希望する。

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